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毎日を楽しく生きるために、オーガニックを選択肢の一つに|LaF the organicsオーナー 日比野 忠仁さん・前編


最近、「オーガニック」という言葉をよく耳にしませんか?


オーガニックとは、通常は農薬や化学肥料に頼らずにつくられた農作物や、添加物を使わない加工方法のことをいいます。


ざっくりいうと「健康にいい」ものですが、「なんとなく手が出しづらい」と思われている方は多いのではないでしょうか。筆者も、オーガニックというと気品のあるセレブな方たちが使うイメージで、自分とは縁遠いものだと思っていました。


「オーガニックをもっと身近なものにしたい」


そんな想いから生まれたのが、岐阜県多治見市にある「LaF the organics(ラフ ジ オーガニクス)」。素材はおもにオーガニックのものを使った、コールドプレスジュースのお店です。2017年5月に、日比野さんご夫妻がオープンしました。


店内にはオーガニックの食品や雑貨もずらりと並んでいます。



今回インタビューしたのは、オーナーの日比野 忠仁さん。オーガニックのお店を開いた理由や、お店に込めた想いなどを伺いました。

オーガニックに興味を持ったきっかけは、子どもや自分の病気だった

ーLaF the organicsを始めた経緯を教えてください。


日比野:きっかけは、子どもの乳児湿疹でした。医者からは「ステロイドを塗らないと治らない」と言われたのですが、それはかなり強い薬なので使うのには抵抗があり、ほかの治療法を探していました。


そのなかで「自然療法」や「東洋医学」というものを見つけ、試しにやってみました。具体的には、子どもの代謝を信頼して薬に頼らない生活にしたんです。すると、約1ヶ月でかなり肌が綺麗になりました。


ー薬を使わないで治ることもあるのですね。


日比野:すべての乳児湿疹が自然療法で治るわけではありませんが、僕の子どもの場合はそうでした。そのとき、「僕らはちょっと頭が痛くなっただけで薬を飲むのが当たり前だけど、そういう世の中の常識ってすべてが正しいわけじゃない」と気づいたんです。そのような考え方に興味を持って調べていくうちに、オーガニックに出会いました。

日比野:また、僕自身も「クローン病」という病気を患っています。胃腸がうまく働かなくなる、原因不明で治らない病気といわれています。


しかし、東洋医学では「原因はストレスと添加物」だとわかっており、試してみると症状がかなり良くなりました。もちろん、これもすべてのクローン病患者にこの治療法が効くわけではありません。でも僕は自分自身の経験として、オーガニックの良さを実感しました。


ーそうやってオーガニックに対する信頼が強くなっていき、お店を開くことに?


日比野:はい。でも、僕はもともとジャンクフードやお酒が大好きで、オーガニックも「セレブな人たちが嗜むもの」と思っていました。そんな自分がオーガニックのお店を開くなんて、なんだか自分らしくないのかな、と思っていたときもあったんです。


そんななか、とある方のお話を聞いて、考え方が変わりました。「人間はもっと人間らしく生きるべき」「農薬や添加物を使わない、自然界にあるがままのものを食べる方が、健康的で人間的だ」という彼の考え方に、非常に共感しました。


日本は世界的に添加物大国といわれるくらい、添加物を大量に使用している国です。そんな日本でオーガニックのお店をやるって、めちゃくちゃパンクでかっこいい!と思ったんです。それから約1年後に、このLaF the organicsを開きました。


オーガニックのものに囲まれたお店は、私生活の一部

ー「コールドプレスジュース」って、どんなジュースなのですか?


日比野:約2トンの圧をかけて、野菜や果物を粉砕して搾りだすジュースです。素材に摩擦熱が加わらないので、熱に弱い栄養素や酵素がなくなりません。つまり、コールドプレスジュースからは、素材を丸ごと食べるときとほぼ同じ量の栄養素を摂取できます。


また、プレスするときに繊維質を取り除いているので、胃腸に消化の負担がかかりません。素材を丸ごと食べるより4~5倍ほど吸収が早いといわれるほど即効性があり、栄養ドリンクやファスティング(断食)のサポート薬としても使えます。


もちろん、コールドプレスジュースに使う素材は、無農薬や減農薬のものを選んでいます。


人気NO.1は、炭が入っているため真っ黒な見た目の「デトックス」(ヘンプチャコール+レモン+ローハニー+天然水)。定番は緑色の「グロウ」(小松菜+りんご+レモン)と赤色の「ビート」(ビーツ+オレンジ+りんご)。季節限定のメニューもあり、8月はスイカ、9月は梨を使ったジュースが販売されるそうです。


ーLaF the organicsではコールドプレスジュース以外にも、いろいろなオーガニック製品を販売していますよね。


日比野:そうですね。オーガニックの焼き菓子やコーヒーもあります。コーヒーはフェアトレードのものです。雑貨もありますが、添加物をなるべく使用しないナチュラルなものから、完全オーガニックのものまで仕入れています。


ーそのようにオーガニック製品をたくさん取り扱っているのは、オープン当初からですか?


日比野:はい。僕はお店を始める前も、自分でコールドプレスジュースを搾って飲んでいました。クローン病は生野菜を摂取してもちゃんと消化できないからです。また、妻もビーガン焼き菓子をつくるのがもともと好きだったし、僕らはコーヒーや調味料、洗剤などの日用品も、普段からオーガニックのものを使って生活していました。


なので、「オーガニックのお店をつくった」というより、「私生活で普段やっていたことがそのままお店になった」感覚なんですよ。



LaF the organicsのフェアトレードコーヒーは、千葉県のSLOWCOFFEEから仕入れています。日比野さんはSLOWCOFFEEの代表の方とも面識があり、信頼のおけるコーヒー屋さんだと言います。



すべてがオーガニックでなくてもいい。大事なのは、毎日を楽しく生きること。

ーお店を開く前からオーガニックメインの生活だったとのことですが、やはりそれは病気を治そうとしたのがきっかけだったのですか?


日比野:うーん……。「治そう」というよりは「消化しづらいからジュースで栄養を摂ろう」みたいに、必要なことを一つ一つこなしてきた感覚です。


なんというか、「治そう」と思って生きていると苦しいんですよ。治るのが10年後なのか20年後なのか、わからないからです。自然療法で薬を使わずに、毎日苦しい思いをして30年後に治ったとして、そのとき僕はもう60歳くらい。「そんな人生どうなの?」と思っちゃいます。


僕の毎日の目標は、毎日を楽しく生きること。それを達成するために、基本的にはオーガニックで生活しながら、しんどいときは薬も頼っていいと思っています。

日比野:東洋医学は体質改善をすることで時間をかけて根本から治す、西洋医学はそのときの症状に対して即時に対処する、という考え方です。どちらが優れているとかではなく、どちらも必要なもの。両方をバランス良く使って生活すると、生きやすいのではないでしょうか。


たとえば、コンビニのお弁当には添加物が入っていますが、子育てなどで時間がない人たちが「便利だから」と使うのはぜんぜん良いと思います。ただ、それだけを摂りつづけると危ないので、「最近頼りすぎてるな」と感じたときは手づくりしてみる。そんな感じで、オーガニックを選択肢の一つに持っておくといいと思うんです。


ー日比野さんは、LaF the organicsをどのようなお店にしていきたいですか?


日比野:既存のオーガニックや自然食品のお店よりも、気軽にお客さんに入ってきてもらえるお店にしたいと、オープン当初からずっと思っています。以前からあるオーガニックのコミュニティって、ほぼ完成されていて閉鎖的になってしまってるんです。そのため知識がない人が入りづらく、それもオーガニックが広まらない原因の一つだと思います。


僕は「かっこいいな」「オシャレだな」と思って手に取ったものがオーガニックだった、くらいでいいと思っていて。そんな「オーガニックへの第一歩」が踏み出せるお店にしたいです。




* * *


「オーガニックは自分には縁遠い」

そう思っていた筆者も、日比野さんの言葉に勇気をもらえました。


“すべてのものをオーガニックしなければいけないわけじゃない。

ただ、生活のなかの選択肢の一つとして、オーガニックは持っておく。”


なんだか私にもできそう。

そう思えるから、LaF the organicsは「オーガニックへの第一歩」なのですね。


後編に続きます。

▼LaF the organics

住所:岐阜県多治見市太平町2-5-1

電話番号:0572-88-0183

メールアドレス:info@laf-the-organics.jp

営業時間:10:00~18:00(日曜、祝日、月曜はお休みです)

HP:http://laf-the-organics.jp/

Facebook: https://www.facebook.com/LaF.the.organics/

Instagram: https://www.instagram.com/laf_the_organics/?hl=ja


日比野 忠仁|プロフィール

1985年生まれ、岐阜県多治見市出身。アパレル販売員として3年間働いた後、自動車部品工場に勤務したが、働き方に納得できず退職。以前から興味があり、私生活にも取り入れていたオーガニックのお店を開くことを決意し、2017年5月にLaF the organicsをオープンした。

撮影・執筆=中原 愛海

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